令和4年度後学期に開講する現代制御について

本講義のシラバスはつぎから検索して下さい. オンラインシラバス

本科目は3年生を対象に現代制御論に関する基本概念,またその利用法について教示する.

履修に対する注意

令和3年度の本講義の合格率は83.8%でした(放棄者を除く).中間テスト,期末試験はレポート課題とほぼ同じ問題が解ければ80点は取れる問題とし,さらに試験中はA4用紙1枚(自筆なら何を書いてもよい)を持込可としています.合格者(31名)の総合評価の平均点は76.3点でした.安心して手を抜くと合格は難しいとおもいますので,しっかり勉強して下さい.


講義日
後期:火曜日II限目,木曜日IV限目(試行的にクォータ制を導入)
講義室
理工学部大学院棟303室
定期試験
実施
講義内容
  1. 講義概要

    機械システム制御で学んだ制御工学は「古典制御」と呼ばれる伝達関数をベースにした手法である.一方,ロボットに代表される現代のより複雑な機械システムの多くは「現代制御」と呼ばれる方法により現実のシステムに適用されている.本講義では,現代制御法で重要となる状態空間表現を中心に制御する方法を説明する.行列とベクトルの演算をかなり使いますので,線形代数学が嫌いだった人には履修を勧めません.

  2. 学ぶべきこと

    受講者は、次の基礎知識を必要とする.

    (1)算術演算ができること.
    (2)行列とベクトルの演算ができること.
    (3)古典制御の概念について理解していること(表面的な理解でも大丈夫です).

    その上で下記の目標を達成するよう努力して欲しい.

    学習目標

    1. 機械制御とは何か説明できる.
    2. 機械システムをモデル化し,状態方程式を導出できる.
    3. ブロック線図から状態方程式を導出できる.
    4. 機械システムの安定性を判別できる.
    5. システムの可制御性と可観測性を調べることができる.
    6. 極配置について説明できる.
    7. 簡単なレギュレータを設計できる.
    8. オブザーバについて説明できる.
    9. 最適制御とは何か説明できる.

  3. 講義計画
    • 第1回 現代制御とは 〜状態空間表現の基礎 :関連学習目標 (1),
      シラバスの説明を行い,現代制御の概要を説明する.
    • 第2回 状態空間表現:関連学習目標 (1)(2),
      様々な動的システムの数学モデルの説明と状態空間表現との関連の説明を行う.
    • 第3回 行列とベクトルの基本事項:関連学習目標 (2),
      現代制御を理解するために必要な数学の知識を復習する. 
    • 第4回 状態空間表現と伝達関数表現の関係:関連学習目標 (3),
      伝達関数表現と状態空間表現の関連について学ぶ.
    • 第5回 状態変数線図と状態変数変換:関連学習目標 (2)(3),
      システムの構造の理解を助ける状態変数線図と,状態変数変換について学ぶ.
    • 第6回 状態方程式の自由応答:関連学習目標 (4),
      自由システムの応答の求め方について学ぶ.
    • 第7回 システムの応答~状態方程式の応答~:関連学習目標 (4)
      状態方程式の解を求める方法を学ぶ.
    • 第8回 中間テスト:2022年10月27日実施
    • 第9回 システムの応答と安定性:関連学習目標 (4)
      システムの安定性の条件と分類について学ぶ.
    • 第10回 状態フィードバックと極配置:関連学習目標 (6)
      状態フィードバックによるシステムの安定化と極配置について学ぶ.
    • 第11回 システムの可制御性と可観測性:関連学習目標 (5)
      システムの可制御性と可観測性とは何か理解し,それらの判別法と行列との関連について学ぶ.
    • 第12回 オブザーバの設計:関連学習目標 (8)
      オブザーバの原理と設計方法を学ぶ.
    • 第13回 状態フィードバック制御とオブザーバの併合システムの設計:関連学習目標 (6)(7)(8)
      状態フィードバックとオブザーバを併合したシステムの設計法について学ぶ.
    • 第14回 サーボ系の設計:関連学習目標 (5)(6)
      目標値追従,定値外乱除去が可能なサーボ系の設計法について学ぶ.
    • 第15回 最適制御:関連学習目標 (9)
      最適制御法の原理や使用例について学ぶ.
    • 第16回 定期試験:2022年11月29日実施
  4. 成績評価方法
    1. 3回を超える欠席を認めない.
    2. 12回のレポートを課す.
    3. 中間テストを実施し,その結果を総合評価の対象とする.
    4. 全講義終了後,定期試験を行う.
    5. 総合評価は次の基準に従う.定期試験(60%),中間テスト(30%),レポート(10%)として総合成績を算出し60点以上を合格とする.
    6. 再テストは行わない.
  5. 教科書
    教科書名:はじめての現代制御理論
    著者名:佐藤和也,下本陽一,熊澤良典
    出版社名:講談社
    価格:2600円(税別)
    単位を修得したいのであれば,最低限,教科書は購入たほうが良いです.購入者と合格者の間にはかなり強い相関があります.
    本書の第1版第1刷から第3刷には訂正箇所があります.こちらをご覧ください
  6. 配布資料
    ギリシャ文字の読み方(付録:抵抗の値の読み方)


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